「学校における働き方改革」について茨城県教育委員会の担当者と話してきました。

最終更新: 2019年3月26日

2018年9月30日


お久しぶりです。茨城部活動問題対策委員会(以下、BMTI)のYです。先月、茨城県教育委員会(以下、県教委)の高校教育課を訪問し、担当者と話をして参りましたので、その結果を報告させていただきたいと思います。


訪問の経緯については4月14日投稿の記事に詳しく書いてありますが、要は以前訪問した保健体育課の担当者に「私たちは『学校における働き方改革』の部分を直接取り扱っているわけではないので、義務教育課か高校教育課に問い合わせてほしい」と言われたからです。高校教育課を選んだのは、単純にBMTIメンバーに高校教員が多いからですが、もし高校の部活動問題にメスを入れることができれば、その効果を中学校にも波及させることができるのではないかと考えています。



わかりやすく、結論から先に述べたいと思います。県教委の高校教育課は、学校における働き方改革を担当する部署であるにもかかわらず、文部科学省(以下、文科省)から「徹底するように」と言われている関連の取り組みについて何ら具体的な施策を練っていませんでした(8月3日現在)。文科省が県教委に対して求めている取り組みには、大きく分けて「業務改善」「時間管理」「意識改革」の3つ[※1]があります。これらは部活動問題を抜本的な解決に導く可能性を有しているため、私たちBMTIも大いに期待しているのですが、残念ながら県教委にはこれらに真摯に取り組もうとする姿勢が見られませんでした。以下、より具体的に見ていきます。



部活動顧問って先生の仕事なの?


まず、「業務改善」についてです。2月9日に文科省が県教委あてに送った通知(以下、2月9日通知)の中には、次のような記述があります。「教師一人一人の授業準備や自己研鑽等の時間を確保するとともに、意欲と高い専門性をもって、今まで以上に一人一人の児童生徒に丁寧に関わりながら、質の高い授業や個に応じた学習指導を実現するためには、学校が担うべき業務、教師が担うべき業務を改めて整理した上で、教師の専門性を踏まえ、各学校や地域の実情に応じて、役割分担・適正化を図っていくことが必要である」(p.4)。部活動については、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」(p.8)であるため、「学校職員として部活動の実技指導等を行う部活動指導員をはじめとした外部人材の積極的な参画を進めること」(p.9)とされています。部活動は、教員が専門性を有する本務ではなく、しかも教育課程外の活動です。それでいて、教員にサービス残業を前提とした重い負担を強いるのですから、真っ先に業務改善の対象とされるべき業務です。しかし、高校教育課は、学校における働き方改革とは別の文脈で策定された「茨城県運動部活動の運営方針」についてアピールするばかりで、肝心の業務改善については「学校の中でキチンと整理しなさいと管理職には常々伝えている」「今後さらに強く促していく」と回答したのみでした。また、文科省から策定するように言われている「業務改善方針・計画」についても、2月9日通知からもう半年になるにもかかわらず、「策定については未定」とのことでした。県教委は、「制度的な障壁の除去や学校環境の整備、慣行的に進められてきた取組の見直しの促進等、学校や教師だけでは解決できない抜本的な方策や取組を講じ、『学校における働き方改革』を後押しする必要がある」[※2]のですから、その責任の重さを自覚し、問題解決に向けた取り組みを加速させていく必要があります。



部活動顧問はサービス残業をしなければならないの?


次に、「時間管理」についてです。2月9日通知では、部活動について「教職員が適正な時間に休憩時間を確保できるようにすることを含め、教職員の勤務時間を考慮した時間設定を行うこと」(p.13)とされています。いわゆるサービス残業が発生しないような体制づくりを求める記述であることは明らかですが、高校教育課はこれを「練習時間の管理」へとすり替え、前述の「茨城県運動部活動の運営方針」を再びアピールしてきました。私が2月9日通知の議論に戻すと、「一つひとつまた精査しながらやっていくことになると思う。今ここで『こうだ』ということは私からは申し上げられない」とのことでした。そこで、私の方から「少なくとも勤務時間外に及ぶ部活動顧問業務は拒否することができますよね?」と尋ねたところ、「時間を超えるとかではなく、顧問の複数化や練習時間・練習日の制限などいろいろ工夫はできると思う」「管理職、あるいは子どもたち・保護者とも話をして、キチンと折り合いをつける必要はあると思う」等のはぐらかすような回答が続き、4度目の問いかけでようやく「違法な命令であれば拒否できると思う」との回答がありました。ただ、高校教育課はどうやら管理職が直接「時間外もやれ!」と命令しなければ違法にはならないと考えているようなので、次はこの点についてより突っ込んだ質問をしていく必要があります。(そのためには、私たちももっと勉強しなければなりません。)



「新任の先生は勤務時間について教わらない」って本当?


最後に、「意識改革」についてです。「業務改善」と「時間管理」について中身のある回答が得られなかったので、私としてはすでに期待をしておらず、面会の残り時間も少なくなってきたため、ここでは私たちの要求を一つ提示して終わりにすることにしました。その要求とは、茨城県の初任者研修で用いられる『教員ハンドブック』に関する事項です。この冊子には「教師の一日の仕事の例」と題された表が掲載されてますが、表のどこにも教員の始業時刻・休憩時間・終業時刻が書かれていないのです。2月9日通知には「管理職だけでなく、学校の教職員全体に対しても勤務時間を意識した働き方を浸透させるために、各教育委員会において、働き方に関する必要な研修を実施すること」(p.13)と書かれていますが、茨城県の初任者研修では「勤務時間を意識しない働き方」を促していることになります。これは通知の内容と逆行するので「一刻も早く変えていただきたい」と要求したところ、さすがに反論の余地がなかったのか「わかった。伝えたいと思う」とのことでした。本当に記述を変更するかどうか、今後も注視を続けていくつもりです。



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次の一手については、再度メンバーと話し合いながら進めていきたいと思っています。スピーディーにできるものはスピーディーに、じっくりやるべきものはじっくりと取り組んでいくつもりです。この(決して短くない)記事を最後まで読んでくださった皆さんからの提案も大歓迎です。ホームページの末尾にあるフォームやメールを活用してドシドシご応募(?)ください。たまにオフ会も開催しているので、可能な方はそちらに参加していただけるとより嬉しいです!




[注]

※1 詳しくは、BMTIが面会に先駆けて高校教育課に送付した質問書をご参照ください。

※2 中央教育審議会が昨年12月に発表した「中間まとめ」のp.10より引用しました。



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