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部活動の地域展開を考えるオンラインイベントに出演して

2021年9月10日


 こんにちは。代表の神谷です。9月になってから、各地で部活動問題に取り組む団体が新たに立ち上がっているようです。嬉しいニュースであると同時に、未だに部活動問題が全国的に未解決であることの証左でもあります。私たちBMTIとしても、今後さらなる攻勢を仕掛けていく必要があると感じています。


 さて、直近の活動報告に移ります。先月の25日、学生団体Teacher Aideさん主催のイベント「部活動の“地域展開”を考える」に出演オファーをいただき、約15分間の発表と、その後のパネルディスカッションに参加させていただきました。このイベントでは、Teacher Aide茨城支部代表の「かぐや」さんが司会進行を行い、学習院大学教授の長沼豊先生、つくば市谷田部東中学校校長の八重樫通先生、そして私が登壇者として出演いたしました。

 [出典]部活動の“地域展開”を考える(Peatix)


 長沼先生や八重樫先生の発表については他の報告に譲り、ここでは私の発表内容について紹介させていただきます。まず、タイトルは「顧問選択権を前提とした地域部活動をどのように構想すべきか?」としました。見てのとおり、キーワードは「顧問選択権」と「地域部活動」です。発表の前半では、そもそも部活動問題とは何であったかを振り返りつつ、いわゆる顧問選択権(教員が部活動顧問をするかどうかを自由に選べる権利)がなぜ必要であるかについて、①人として当然の権利だから、②長時間労働への抜本的な対策が必要だから、という二つの観点から説明しました。後半では、現在国の方針として「休日の部活動の段階的な地域移行」が進められようとしていることを顧問選択権の「部分的実現」と肯定的に評価した上で、今の部活動をそのまま地域団体・地域人材に委託するという発想では人材不足や連携上の課題から「やっぱり教員が面倒をみるしかないよね」という話に落ち着いてしまう危険性が大きいことを指摘しました。

発表用スライド資料の一部


 国の方針について個人的に気がかりなことは、休日の部活動の主体を地域に移す責任は誰にあるのかということです。この点については発表後のディスカッションでも何度か質問させていただいたのですが、明確な返答はなかったように思います。もし各学校に責任が「丸投げ」されてしまったら、八重樫先生のような問題意識と行動力のある校長がいる一部の学校でしか取組が進まないことは目に見えています。草の根の創意工夫が重要であることは言うまでもありませんが、せめて市区町村単位の事業としなければ学校ごとの差異が大きくなり過ぎてしまいます(または差異が生じることを恐れて改革が進まない)。教育委員会における社会教育や生涯学習に関する部局が中心となって休日の地域(部)活動に関する仕組みづくりをしなければ、いつまでたっても部活動は学校から離れていかないのではないでしょうか。


 5月の講演でも強調したように、仕組みづくりの際には人権保障が大前提となります。休日の地域(部)活動を担う団体や人材が見つかるまでは「教員にやらせておく」というような発想は本来認められません。まずはこのことが明確に示される必要がありますし、教員の方々も遠慮なく声を上げていくべきだと思います。


 最後になりましたが、私のようなローカルな市民団体の代表に貴重な登壇機会を与えていただいたTeacher Aideの皆様に心より感謝申し上げます。「教員1人ひとりを幸せに」するため、私たちBMTIも努力を重ねて参ります。


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